"God is in the detail" 20世紀モダニズム建築の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエが好んだ言葉、「神は細部に宿る」。
良い仕事とは、細部まできちんと手を抜かず、心を込めて行われていること。こだわりや素晴らしい技術は、一見して分かりにくい。何事にも通じる言葉です。
先日、セイジ氏にSeiji McCARTHYの靴つくりで、気を遣っている点など聞いてみました。セイジ氏は、自身の手掛ける靴において、「スマートさ」を重要視しているそうです。それは主に3ポイントが挙げられました。
①木型
フィット感と見た目のバランス。フィット感で定評の靴ですが、実は足型通りに木型を削っていないそうです。足に合わせつつも、痛くないように考慮し、バランス良い形状を模索して削るとのことです。
②アッパーとパターン
これはバランスが一番大事だと熱く語り始めました。足の特徴によってパターンのバランスと取るそうです。私が意外だったのは、例えば顔が丸い方のパターンは、曲線を丸く顔の輪郭や雰囲気も考慮する点でした。顔が細い方は、少しアグレッシブにとか。靴が完成され、納品時に試着頂くと、その方と靴の相性とは足とのフィッティングだけではないと感じるそうです。雰囲気(個性)とのマッチングは思いのほか重要なファクターだと。
③靴つくり
細部まで集中して、丁寧に仕上げるよう努める。ステッチ、ウェルトなど細かい部分も気にしている。話を進めるうちに、セイジ氏は自分のつくった靴がお客様の一部になって欲しい。だから、相手の事を考えた靴に仕上がる事を大切にしているとの言葉が出てきました。木型とパターンが一番大事になってくる。相手に合わせた、バランスの取れたものであること。話を聞きながら、職人さんは日々の精進により、細部の仕事はより細やかに、技術が磨かれてくるけれど、木を見て森を見ずにはならないよう、履く方の満足の為に何にこだわり快適な靴として進化させるのか。本当にこだわりや技術は、一見して分かりにくい。
しかしながら、受け取った方は、暮らしの中でその真価を問われる訳です。靴つくりも、私共接客業もしかり。日々の努力が大切です。
画像はセイジ氏のお客様です。ご愛用頂けて感謝いたします。
ボルドーのブラインドブローグとブルーグレイのパンツのコーディネートが素敵ですね。
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