元々はスポーツ観戦用の靴として、ホワイトフランネルのパンツに合わせて履かれたことからこの名があり、その後、海外で仕事をする人々、例えば海外特派員などがアフリカやアジアなど暑い地域で履いたことからコレスポンデントシューズとも言われるこの靴。1930年代には欧米で大ブームを巻き起こし様々な人に履かれました。映画で見るマフィア達もその例に漏れず。
この靴、実はとても機能的。つま先やかかと、甲の紐を結ぶ部分は硬い革で足を保護し、歩行時に屈曲する部分には柔らかな鹿革を使っているのです。まさに靴の原型なのではないかというほど歩きやすい靴なのです。
鹿革はスエードではなく、銀面を擦ってヌバックにした正真正銘のバック(buck = 牡鹿)スキン。これがまたふんわり柔らかな表情をたたえた上品なルックスで、光沢のあるアノネイ社製カーフとのコントラストをより一層明確にしていて美しい限りです。
かなり目立つ靴であることは間違いないので、コーディネートに躊躇される方も多いかと思いますが、合わせてみるとどんな生地、色のパンツにもバチっと合ってしまうのに驚かされます。
1990年代の私は、仕事の日は毎日、白茶か白黒、白紺のコンビ靴を履いて店に立っていました。ネイビーブレザー+ホワイトフランネルズはもちろん、チャコールグレーのスーツ、ネイビースーツ、ベージュジャケットなどすべての服装にこの手の靴を履いていました。家から駅までの通勤の間、近所のおばちゃんたちに、「店長さん来たよ、店長さん」とささやかれながら。その時はまだ店長ではなかったのですがね(笑)
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